XR大改造計画
今回のネタは長くなります。と最初に申しておきます。
はるか遠方の福岡県のオーナーさんより、OX(REV)のXRを塗装からパーツ交換までとことんやりたい!というご依頼を受けました。
車いす製作は福祉の関係上、地元の業者さんで依頼して、あとは全て橋輪で改造という内容です。
以前からずっと橋輪の改造等をチェックしてくれていたようで、基本のコンセプト以外はお任せモード。
遠方なのでお会いしたこともないのに、ギャンブラーです(^^;)
先ずは送られてきた状態。
と、画像を載せたいところですが、塗装に出すのに急いでいたのでいつもの撮り忘れdeath。
とりあえずメモ用に残しておいた画像が有ったのでそれを。
無塗装のXR。リジット(固定車)なのであっという間に全バラ状態。
フレーム本体はKADOWAKIコーティングに、他のパーツ類はNewコート。
オーナーさんは色を決めるのに直接KADOWAKIに塗装済のカラーサンプルをオーダーして吟味するという凝りっぷり。
そんなお客さん見たことない。
フレーム塗装は先に仕上がってきたのですが、パーツ類のコーティング待ちです。(こうなることは分かっていたので先に説明済)
さぁ、これからディテール説明していきます!
先ずは一番時間の掛かるホイール編。
SPINERGYホイールを全て分解して、ホイールリムとハブをコーティングして再び組み付ける作業。
初めての改造パターンです。
大人気の【タングステン】にコーティングされたハブとホイールリム。
今回のカラーリングはシックな感じです。
これ、通じゃない人は、言われても「何が?」となるくらい、改造した派手さはありませんが、かなりマニアックな内容です。
こんな感じでスポーク調整しながら組み付けていきます。
自慢じゃなくて自慢ですが、この作業ができる車いす屋さんは国内にほとんど無いかと思われます。
自慢ですが。
ホイールを組み付けする上で、更にマニアックなのが・・・
こだわりの極致。ハブのベアリングを交換することは有りますが、ここまでくると変態。
この車いす、キャンバー2度が付いてます。そのキャンバーに対応すべく内側と外側でベアリングの設定を変えてあります。
オーナーさんの方で用意いただいたんですが、このパターンも初めてでした。
ついでにもう一丁な変態振りを紹介すると、
サイドプレート・アームレスト・ブレーキ等の取付けボルトを自身でチタン製をご用意。
まぁ、僕も同類なのでチタンパーツは使ってますが、このボルトメーカーは知りませんでした。
▽同封されていた納品書を見てビックリ▽
素敵な価格です。
変態。
…と思って、自分が以前購入したチタンボルトの価格を調べたら・・・
同類でした(^^ゞ
完成形は↓
ぱっと見はノーマルっぽいですが、ダンディーな仕上がり!タイヤは最高級品のSCHWALBE ONEを履いております。
タングステンにコーティングしたハブ。こちらは塗膜が薄くて強いこのコーティングにしましたが、オーナーさんにも「初の試みなので100%大丈夫とは約束できません」とあらかじめお伝えしての試みでした。
しかし、このタングステンとブラックのマッチングはかなり良いですね!
アクスルのクランプ部品もタングステンにコーティングしました。
ブレーキ部分はダイヤルとナットをタングステンにレバーはブラックパーツに交換、それと前出のチタンボルトをこちらにも使用してます。
キャスターフォークはFrogLegsだったので外せる部分だけブラックコーティングしてボルトはタッチペン仕上げにしました。
キャスターは大人気の【dLITEキャスター】です。
フットプレート、こちらは表面に滑り止め効果を出すためのリンクルブラックという特殊コーティング。
これはオーナーさんの意向で、初めて知りました。今後使えそうです!
アームレストの取付け部。
チタンボルトで留めてます。ただ、問題が。
今回、この部分の形状、初めて見ました。
なんか違和感ないですか??
普通はホルダーにアームレストパイプが入る形なのですが、これはパイプを潰して直接取付けしてあります。
なるほど、軽量化ですね!
オーナーさん、こちらの部分のチタンボルトをパーツリストの通りの長さで注文してしまったので先端が少し余っている。
そう、潰しパイプなのでチョイ短いボルトにしなければいけなかった様で。
ウチでカットしようかとも思いましたが、チタンだし、高い部品なのでやめておきました。部品を買い直してください!と。
このアングルだとアームレスト取付けボルトの突き出し量が気になります。
手前のKADOWAKIステッカー、納品時に貼ってあったのですが、どうやら粘着が弱くて剥がれてしまうので橋輪で製作しちゃいました。
ミラー系にしてボディーカラーとマッチしています。
いつもとは逆のパターンになってしまいましたが、最後に完成車をお見せします。
じゃ~ん▽
橋輪ステッカーも依頼されたので何種類か色や大きさを用意して試した結果、アンダーパイプの先端にグロスブラックで決定。
ボディーはブリランテブラック(ガンメタ系に見えますがこういう名称です)にグロスブラックのぶっちぎりライン(と言うそうです)
僕の車いすに使用しているWAKO'Sのバリアスコートでフレームをコーティングするよう依頼を受けましたが、プロ用のガラスコーティング剤をゲットしたので、それを3日間かけて3コートしました。
お肌はツヤツヤ。永遠の輝きです☆
このライン幅はケイファクさんが以前製作された実寸を教えてもらい、その通りのサイズで塗装しました。
▽フレームを見やすくすると、こんな感じです▽
今回のモディファイはシックに渋くまとまりました。
このブリランテブラックとブラックのツートン、なかなか格好良いです。
細部はお任せでやってしまいましたが、まとまり感は抜群かと思います。
最後に、キャンバー付きなのできちんとトーイン&トーアウトを調整。
到着後に連絡いただき、とても満足されたようで良かったです!
今回は初体験な事が多くて橋輪としても大変勉強になりました。
車いすの製作は他店なので金額分かりませんが、トータルだとかなりの高級車であることは間違いなし。
工期3か月強お待たせしましたが、信頼いただいてのオーダーありがとうございました。
こんな感じでオリジナリティを醸し出したい変態な方が居ればモディファイしますので、お待ちしております!
※「変態」は誉め言葉なので悪しからず。